裁判傍聴記 令和2.12(11日判決)鹿児島地裁本庁

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われらが(? 誰の?)鹿児島地方裁判所ですが、もちろん大崎事件第4次再審請求審だけを担当しているわけではありません。鹿児島にはときどき大きな事件が起こるのです。

私が傍聴に行くようになって歴代裁判長も折々に異動で変わってきました。最初は平島裁判長、中牟田裁判長、安永裁判長、冨田裁判長、岩田裁判長(4月でご転出。本当にお疲れさまでした)です。

令和2年12月に、断続的に傍聴していたのが、H市一家殺害事件です。2月に当ブログを開始したり、本業の投資の方も忙しく、傍聴記を書くのが大変遅くなってしまいました。とはいえ、この事件はいろいろと思うことがあり、強く印象に残っています。

【WITHコロナ時代に変わった裁判風景

1つには、鹿児島県のコロナは昨夏少し心配したものの、最近は本当に平穏で落ち着いています。それでも、裁判員さんにいろんな負担をかけないように、アクリル板等でしっかり対応されています。コロナで法廷が変わったと言えば、やはりマスクですね。表情が読みにくかったりときに言葉がくぐもったりするのですが、視点を変えてみると、裁判官や裁判員さんは、顔を全出ししなくていいので、少し気もちは軽くなるのではないでしょうか。今回の事件通じてもそんな気がいたしましたよ。

すごく難しい事件なのに、何人かの裁判員さんは、数字を名乗ってどんどん質問していました。弁護人、ちょっと元気なかった・・。岩田裁判長、この方の指揮は僕は好きです。熟練した言い回しなんですよね~。裁判官って本当に個性が強いですね。進行は、基本的に同じなんだけど、ずいぶん差を感じます。

この事件は、家族次々と扼殺した卒倒しそうな重大事件です。私がこの事件に関心を持ったのは、こんな奇異な犯行なので、何か精神障害的なものが影響しているんじゃないか、ということでした。なんか説明できる動機、ほしくないですか?弁護人が主張したのは、妄想性障害、と自閉スペクトラム症に基づく解離でした。私は専門家ではないけど、この診断名だと弱いなぁと思っていました。判決は、完全な責任能力を認めました。そう、そうなると、これだけの殺害被害があるので、宣告刑は、求刑通りの死刑となりました。

【死刑の宣告は初めてでした】

このようなわけで、それほどディーぷではないけど、関心のある事件があれば傍聴に行っている私としても、初めての死刑の宣告を目の当たりにすることになりました。一番思うのは、裁判員さんたちにちゃんをケアしてくださいよということです。あとから、思い出して苦しくなったりしないのかなぁ。

そして、これはこれで、一審での1つの結論だけど、控訴審(福岡高裁宮崎支部になります)では合理的疑いがあったら(特に責任能力)、それにのっとった判決をしてほしいですね。もちろん、岩田裁判長の判決がおかしいとか、間違っているとは思っていません。疑わしい時は被告人の利益に、は刑事裁判の鉄則(ただ、ときどき守られてない)なので、それに立脚した判断をしてほしいなと思うだけでした。

元気出していきましょう!

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